連載シリーズ
記録から始めるダイエット入門
第8回 / 全10回
歩数や運動時間を記録しようとしても、「家事や通勤を入れてよいのか」「短い散歩も数えるのか」と迷いやすい。
結論として、初心者は1日の歩数・意識して動いた時間・一言メモの3項目から始める。歩数で日常全体の活動量を見て、時間とメモで中身を補う。
最初の7日間は目標達成を求めず、普段の平均と、動きやすい曜日・場面を知る期間にする。同じスマートフォンや活動量計を使い、別機種の数字と細かく比べない。
最小の記録
- 歩数:アプリに表示された1日の数字
- 運動時間:散歩、速歩、筋トレなど意識して動いた時間
- 一言メモ:雨、残業、買い物、体調など
歩数・時間・メモの役割
| 項目 | 分かること | 注意点 |
|---|---|---|
| 歩数 | 通勤、買い物、家の中など日常全体の増減 | 速さ、坂道、荷物の重さは分かりにくい |
| 運動時間 | 意識して行った散歩や運動の量 | 何を運動として数えるか自分で統一する |
| 一言メモ | 歩数が増減した生活上の理由 | 長文にすると続きにくい |
家事や通勤は歩数へ入れてよい。運動時間は「昼休みの散歩10分」「少し息が弾む速歩8分」のように、意識して行った活動を別に書くと見返しやすい。
運動時間は強度と一緒に残す
同じ10分でも、ゆっくりした室内移動と速歩では負担が異なる。日常記録ではMETsを毎回計算せず、「楽」「普通」「少し息が弾む」程度の言葉を添えればよい。
楽
家の中の移動、ゆっくり歩行
普通
通勤や買い物の歩行
少し息が弾む
速歩、坂道など
身体活動ガイドの推奨量は、初心者が初日から達成すべきノルマではない。今の活動量を確認し、少し増やせる場面を探すために使う。
最初の7日間は平均を知る
| 日 | 歩数 | 運動 | メモ |
|---|---|---|---|
| 月 | 4,800歩 | 散歩10分・普通 | 出勤 |
| 火 | 3,200歩 | なし | 雨 |
| 水〜日 | 同じ機器で記録 | 時間と強度 | 一言だけ |
7日分の歩数を合計して7で割り、普段の平均を出す。2週目は、平均へ無理のない範囲で少し足すか、運動時間を1回追加する。歩数の一般的な目標については、「1日1万歩は必要?7,000・8,000歩の違いと初心者の目標」を参考にできる。
機器の数字は同じ条件で比べる
スマートフォンを机に置いた時間は歩数に入りにくく、腕時計型の機器は手の動きの影響を受けることがある。絶対値の正確さを追いすぎず、同じ機器を同じ持ち方で使う。
続けやすい方法
- 同じ機器・同じアプリを使う
- 1日1回だけ確認する
- 週平均で振り返る
負担になりやすい方法
- 複数機器を毎日比較する
- 消費カロリーまで精密に合わせる
- 低い日を失敗とする
歩数計やアプリの購入は必須ではない。道具の選び方は、「ダイエット記録に必要な道具は?体重計・スケール・アプリを比較」で整理している。
安全上の注意
- 胸痛、強い息切れ、めまい、失神しそうな感覚
- 鋭い関節痛、しびれ、歩き方の変化
- 暑さによる頭痛、吐き気、強いだるさ
- 運動後も悪化する痛みや体調不良
該当する場合は活動を中止する。持病、服薬、妊娠・産後、手術後、転倒の不安がある人は、運動量を増やす前に医師や理学療法士などへ相談してほしい。
まとめ
初心者は、歩数、意識して動いた時間、一言メモを記録する。最初の7日間は増やすことより、普段の平均と動きやすい場面を知る。
同じ機器で週平均を見て、2週目以降に少しだけ活動を足す。数字は自分を責める材料ではなく、生活に動きを入れやすい場所を探すために使いたい。
参考資料
- 厚生労働省「身体活動・運動ガイド2023」
- 厚生労働省「メッツ/METs」
- WHO guidelines on physical activity and sedentary behaviour
- CDC「Adult Activity: An Overview」
- 日本公衆衛生学会誌「スマートフォン・ウェアラブルによる身体活動評価」
この記事は一般的な情報提供を目的としており、診断・治療・個別の運動処方を行うものではありません。